私は若いころから寝ることが好きでした。座椅子、ソファなどに身体を横たえ、暇さえあれば寝ていました。
特に川の土手に寝そべった時の快感は忘れ難いものでした。ふかふかの草に身体を預け、あたたかな日光を浴びて目を閉じる。何事にも代えがたい時間でした。
歳を重ね、「どうして土手で寝ると気持ちがいいのか?」と疑問を覚えました。草木のにおい、身体をあたためる日光は心地よいものですが、その二つでは土手ような気持ちよさを再現できませんでした。そこで行き着いたのが『傾斜』でした。
座椅子やソファなどの休むための道具が登場し、私も座ったり寄りかかったりして休息をとるようになりました。はじめは背中を全体を背もたれにつけて座っていましたが、すぐに姿勢が崩れ、床にお尻が付き、ついには身体を横たえて休息をとるようになりました。
これは私だけでなく、他の人も身体を休めるために座布団やクッションを座るときの支えにするのではなく二つ折りにして、枕替わりにして横になる人が多くいました。
つまり全身を横たえ頭や上半身だけを上げた姿勢、『傾斜』が人にとって最も快適な体勢だったのです。
現代日本に生きる人が一日に得る情報は、江戸時代に生きる人の約一年に相当すると言われています。一日にそれだけの負荷がかかる現代においては休息が大事だと思っています。
束の間の休息に、あるいは一仕事終えたあとの仮眠に、セブトンをつかってくつろいぐことで活力ある生活を過ごすことがより良い生き方になると思ってセブトンを製作しました。